
55歳、独身。このまま一生、ひとりで生きていくものだと思っていたけれど……。ギャグマンガ家・渡辺電機(株)さんは、55歳の時にふたりの娘を持つ女性と結婚。突然二児の父となった。当時大阪に住んでいた長女のアユちゃんを年度途中で転校させないよう、一足先に東京で父と娘のふたり暮らしを始めることに! そんな実体験を描き出したのが『父娘ぐらし 55歳独身マンガ家が8歳の娘の父親になる話』(渡辺電機(株)/KADOKAWA)とその続編『父娘ぐらし それから 55歳まで独身だったマンガ家が8歳の娘と過ごした4か月間』(渡辺電機(株)/KADOKAWA)だ。
8歳の娘との生活で経験した驚き、ひとりでは味わえない苦労と、幸せ。初めて経験する子育てに悪戦苦闘する様子をコミカルに描き出したこのコミックエッセイは、どのように生まれたのか。著者・渡辺電機(株)さんにお話を伺った。
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——アユちゃんと暮らし始めて一番困ったことはどんなことでしょうか。
渡辺電機(株)さん(以降 渡辺):衣類、食べ物、学校の行事と、とにかくお金がかかることです。稼ぐヒマがないのに!
——アユちゃんと暮らし始めた当初、慣れない育児に忙殺されて、マンガを描く時間を取れずにいることに共感してしまいました。子育ては時間が取られる上、アトピー、虫歯への対応、学校行事の参加など、やるべきことも多いと感じます。そんな状況からどうやって仕事の時間を確保していったのでしょうか。
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渡辺:仕事をしていたのは、アユが学校にいる時間と、寝入ってから自分が寝るまでの時間です。早く仕事をしたいので、9時ごろには無理やり寝かしつけていました。歌の動画を見せたり、しりとりの相手をしたり。今思うと、夜ふかししがちなアユにはむしろ良かったです。
——本作には、渡辺電機(株)さんが育児に奮闘する様子がコミカルに描かれています。特に、音読の宿題をみてあげる様子は微笑ましく、そして、とても教え方がお上手で、「自分の親にもこんな風に見てもらいたかった」と思ってしまいました。渡辺電機(株)さんがお子さんとの接し方で心がけていることはどういうことでしょうか。
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渡辺:気をつけていることの多くは、「自分が親にされて嫌だったことはしない」ということです。私の父が教えたがりの上に教え下手で、分からなくてベソをかく私に対してイライラして呆れた声を連発していたのが、今でも非常に恨めしく、反面教師になっています。
——育児はかなり体力を使うと思います。55歳で父親になってみて、どのように感じましたか。
渡辺:人生で最も筋肉がつき、腰は悲鳴を上げました。サッカーの三浦知良や競馬の武豊と並んで、育児の渡辺電機(株)もアラカンアスリートとして高く評価していただきたい(笑)。
取材・文=アサトーミナミ
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