
2023年、惜しまれながらこの世を去った作家・浅原ナオトさんの最後の著作をテレビドラマ化した「100日後に別れる僕と彼」が話題です。
同性愛への理解の矛盾を問う原作小説を映像化したのは、浅原さんの代表作である『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』の映画版、「彼女が好きなものは」をはじめ、映画「アイミタガイ」や、公開待機中のNetflixシリーズ「SとX」などを手掛けた気鋭の映画監督・草野翔吾さん。
ドラマ化への道のり、映画監督としての苦労と喜び、そして根底に流れる表現者としての矜持を、赤裸々に語ってくださいました。
聞き手:Robes
撮影:齋藤優龍
(収録日:2026年5月27日)
「出会い」と「挑戦」
—— 初回が無事放送され、少しホッとしたところでしょうか?
草野 いや、全然ホッとしてないです。何もホッとしてない。むしろ。ザワザワしてます(笑)。
—— 初回のドキュメンタリーのような描き方が話題になっていますが、「あ、そっか、劇伴がないんだって」と観終わって気がついて、すごい試みだなと思いました。そもそも、この作品をドラマにしよう思ったきっかけは?
草野 「彼女が好きなものは」(※1)を気に入ってくださったプロデューサーさんから、連絡をもらったんです。で、いくつかドラマの企画を提案して頂いてたんですけど、なかなかタイミングが合わずに時間ばかりが過ぎていく中で、「彼女が好きなものは」がきっかけで出会ったんだから、やっぱり浅原ナオトさんの作品をやるのがいいんじゃないかって、ふと思ったんです。
実は、その時、まだ原作を読んでなかったんですよ。亡くなってしまってから、浅原さんの本がなかなか手に取れず、読むことができなかったんですけど、これをきっかけに読んでみたら、もう本当に素晴らしくて。
読んでるそばから、1話はこんなふうに、2話ではこういうことを描こうって、ドラマの構成案が一気に膨らんできたので、最初から「第1話は全部、ドキュメンタリー風で」ということも含め、提案をしました。ちなみに初回はいわゆるフェイクドキュメンタリースタイルでしたが、映像が大事なモチーフになった作品を映像化する以上、鍵となっているドキュメンタリーという仕掛けを、もう一回、別の形でも作品に還元したいと思っています。5話とか6話とか、またちょっとスタイルが変わってくるので、ぜひ楽しみにしてほしいです。





