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雨が降ったら 寺地はるな/ポプラ社


仕事や子育ての悩み、更年期にともなう体の変化──女性の40代はなにかと厄介ごとが多い。寺地はるなさんの新刊『雨が降ったら』(ポプラ社)は、そんな40代女性たちを主人公にした連作短編集だ。境遇は違えど、自分なりの楽しみを見つけて生きる5人の女性たちの姿を見ていると、これからの人生にささやかな希望を見出せるはず。本書に込めた思いについて、寺地さんにうかがった。


40代女性の幸せは、仕事での成功や充実した恋愛だけではない


写真:吉澤健太


――『雨が降ったら』は、ポプラ社『季刊アスタ』の連載をまとめた一冊です。どのような依頼があり、この作品が生まれたのでしょうか。


寺地はるなさん(以下、寺地):担当編集者と「40代女性の主人公が足りない」という話をしたんです。女性の40代は、いろいろなことが変わり始める時期ですよね。体も変化するし、立場も変わるし、親の介護など新たに発生する問題もあります。ひと口に40代と言ってもいろいろな人がいます。その割に10代、20代、30代に比べて、40代が主人公の物語は少ないのでは、と。


――確かに、結婚しているか独身か、子どもがいるかいないか、仕事をしているかなど、人それぞれですよね。


寺地:同世代の友人たちと集まっても「いろいろ違うね」という話になりますし、その違いが面白いんじゃないかと思いました。


この小説でも「これが正解です」と提示するのではなく、その“いろいろ”を全部書いたほうが楽しい気がして。「それなら、連作短編にするしかないですね」という話になりました。


ただ、連作短編となると全編を貫く軸が必要です。舞台やモチーフなど、何かひとつ共通するものが欲しい。そこで、打ち合わせでは長い時間をかけていろいろなアイデアを出したのですが、なかなか決まらなくて。その日はちょうど雨が降っていたので、終わり際に「そうだ、傘はどうですか?」と苦し紛れに言ったんです。でも、苦し紛れにしてはいいアイデアだなと思って。傘には雨傘だけでなく日傘もあるし、さしてもいいし、ささなくてもいい。いろいろなことが表現できるモチーフなので、この案を採用しました。


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