
『サレ妻になり今は浮気探偵やってます クズ夫が実家に女を連れ込んでいました』(コマ:原作、蒼衣ユノ:イラスト・漫画/KADOKAWA)は、夫に不倫された経験を武器にカウンセラーとなったコマが、救いを求めてきたサレ妻とともにクズ夫と戦う姿を描いたシリーズのひとつだ。
本作の主人公・かほは、夫・だいきとの間に将来子どもを持ちたいと願い、マイホーム建築を進めるなど、一見順調な家庭生活を送っていた。しかし、ある日、だいきの不倫疑惑が浮上する。夫の怪しい言動は続き、モヤモヤした気持ちを抱えたかほは、疑念を晴らすために探偵に調査を依頼する。しかし、焦って依頼した探偵は、全く調査をしない詐欺のような業者だった。
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それでも、浮気相手と夫のメッセージのやり取りを見たかほは、SNSで見ていたサレ妻のサポートをしているコマに連絡を取り、新たな探偵を紹介してもらうことに。会って話を聞くと、調査内容や会計も明瞭で、今度こそ信頼できると感じて契約。探偵の追跡により、夫の浮気がついに確定する。しかも浮気現場はまさかの「夫の実家」。義母が不在のタイミングを狙い、自分の実家へ不倫相手を連れ込むという倫理観のかけらもない行動に、かほは大きな衝撃を受ける。
夫・だいきは「悪いことをしている」という自覚が全くないクズ男だ。嘘をつき、ごまかし、場当たり的な言い訳を重ねながら、その場さえ乗り切れればいいと考えている。さらに、義母もどうしようもない息子贔屓で、ふたりの異常な言動には、読んでいると怒りを通り越して笑えてくる瞬間すらある。かほがどのように証拠を集め、状況を整理し、反撃していくのか。早く成敗してほしいという思いがページを捲るたびに募っていくだろう。
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不倫の被害者は、傷つき、自己肯定感を削られながら、それでも前を向かなければならない。本作はその現実を容赦なく描きつつ、「壊された側」がどう立ち上がるのかを描いている。怒りと呆れと爽快感が入り混じる、サレ妻の再生譚として強烈なインパクトを放つ作品だ。
文=甲斐ハヤト
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