
猫の「エサちょうだい」のアピールは、ときに強引で、ときに飼い主の肉体的にはしっかりと痛い。猫にとっては、人間の都合なんて関係ない。おなかが空いたら、その気持ちに一直線だ。
そんな猫の自由気ままで容赦ない姿を、思わず笑ってしまう“あるある”として描いているのが、にごたろさんによるコミックエッセイ 『拾い猫のモチャ』(にごたろ/KADOKAWA)。白い体に個性的な模様をもつオスの三毛猫・モチャと、飼い主たちの何気ない暮らしを、やわらかなタッチで切り取っている。
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たとえば、飼い主が気持ちよさそうに寝ていても、モチャには関係なし。エサがほしいモチャは、耳元で「エアーン」「ドゥゴルルル」と何度も鳴いて飼い主を起こそうとする。それでも飼い主が起きなければ、最終手段。耳にガジッとかぶりつき、飼い主を無理やり起こしてしまうのだ。またあるときは、テレビを見ている飼い主が「ちょっとまって」と言っても待ちきれず、思わずアゴにかぶりつき、飼い主を悶絶させてしまう。
飼い主としては、当然「やめてくれ」と思うだろう。けれど、エサが食べたいという欲求に真っ直ぐなモチャの姿を見ていると、怒るより先に「もう、しょうがないなあ」と笑ってしまう。
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この作品には、猫と暮らす人なら身に覚えのある小さな困りごとと、それでも憎めないかわいさが描かれている。猫を飼っている人はもちろん、猫と暮らしたことがない人にも、猫という生き物の自由さと愛おしさが伝わる一作だ。
文=アサトーミナミ
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