
『娘が学校に行きません 親子で迷った198日間』(野原広子/KADOKAWA)は、突然学校へ行けなくなった娘と、その変化に戸惑い続ける母親の姿を描いたコミックエッセイである。不登校という出口の見えない不安のなかで親子が揺れ続ける日々の「過程」を描いている。
ある日、小学5年生の娘・トモが「学校に行きたくない」と言い出す。最初は「疲れているだけかもしれない」「少し休めば戻れるはず」と考えていた母親も、欠席が続くにつれて少しずつ追い詰められていく。なぜ行けないのか。学校で何があったのか。本当に休ませ続けていいのか。無理にでも行かせるべきなのか。ママ友やネットに相談しても、何気ない言葉や、ほかの家庭との比較に傷つき、心を削られてしまう。
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不登校は、子ども本人のつらさはもちろんだが、親もまた「どうすれば正解なのかわからない」という不安のなかでもがくことになる。優しくしたほうがいいのか、厳しく背中を押したほうがいいのか。情報が溢れているからこそ、逆に迷いは深くなっていく。その姿は、子育ての経験をしてきた人には特に胸に刺さるのではないだろうか。
タイトルにある「198日間」という数字は確かに重い。しかし、半年以上も明確な理由や対処法が見つからず宙ぶらりんな時間を過ごしながら、親子は焦り、ぶつかり、迷いつつも、基本的には明るさを失わない。「ほんの数日」とは言えないが、とはいえ一生ではない。一緒にDVDを見たり、昼寝をしたりと、親子でともに過ごす時間が長くなることで溜まっていくストレスを解消する術を見つけながら、少しずつ関係を変えていく。
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子どもが学校へ行けなくなった時、親は何を思い、どこまで彼らに寄り添えばいいのか。本作は、そんな親が抱える不安や孤独に寄り添ってくれるはずだ。もし同じような状況になっているとしたら「うちだけじゃなかったんだ」と気持ちを軽くし、「いつか行けるようになってくれるだろう」という希望をくれる作品である。
文=練馬麟
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