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『松本ぷりっつの夫婦漫才旅 ときどき3姉妹 推し旅編』(松本ぷりっつ/KADOKAWA)は、著者・松本ぷりっつ氏の家族が行った旅の様子を描いた、読むと外出したくなるシリーズの第7弾だ。今回のテーマは「推し旅」。好きなものに会いに行く、そして新しい「推し」を見つける。そんなわくわくする旅のかたちが、いつもの松本一家らしいユーモアとともに綴られている。
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本作で訪れる目的地は、自由が丘、高円寺、立川、箱根~御殿場、金沢、徳島などと広範に及ぶ。自由が丘では九品仏浄真寺を訪れ、緑に包まれた静かな空間で心を整える。高円寺では、推しTシャツを求めて古着屋をはしごしながら「好き」を探す時間を満喫。そして立川ではボルダリングに初挑戦して普段使うことのない筋肉を使うことに驚きながらも、登りきったときの達成感をしっかりとかみしめ、夜は昭和記念公園のライトアップされた日本庭園に美しさに素直に感動する。「推し」の幅広さは、旅のエピソードによく表れている。
なかでも印象的なのが、「うまい食べ物なら全部推し」というスタンスだ。「推し」というとその対象はアイドルなどの存在を思い浮かべがちだが、おいしい、楽しい、かわいいという感情を「推し」とすることで、旅はもちろん、日常もぐっと豊かになることを教えてくれるのだ。
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息の合った夫婦の掛け合いも相変わらず絶妙で「夫婦漫才旅」というタイトル通り、ちょっとしたハプニングも笑いに変えてしまう。そのテンポのよさがクセになり、ページをめくる手が止まらなくなるだろう。
旅に慣れていなくても、完璧な計画がなくても、好きなもの、推しを探しに行くだけでいい。そんな気軽な旅の楽しみ方が、今作もぎっしり詰まっている。読み終えたあとには「次の休みはどこかに行こう」と予定を立てたくなる作品だ。
文=坪谷佳保
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