
結婚式を目前に、信じていた婚約者の浮気を知ってしまったら。怒りに震え、悲しみに沈み、そのまま別れを選ぶことだろう。だが『浮気を知ったけど結婚してあげる~後悔するのはアナタ~』(まぁ:原作、Sui*Ka:漫画、かうち:シナリオ/KADOKAWA)は、そのタイトル通り、夫の浮気を知りながらあえて結婚する道を選んだ女性の姿を描いた物語だ。
物語は結婚式を目前に控えた主人公・里麻が、婚約者・賢人の浮気を知るところから始まる。賢人は政治家の息子であり、勤めている会社でも将来を期待されるエリート。そんな彼が、若い女と密会をしていたのだ。普通ならここで婚約解消となりそうなものだが、賢人は「結婚してくれ」と里麻にすがる。婚約破棄によって自分の立場が危うくなることを恐れているのである。そこで里麻は、ある条件を突きつけて「愛のない結婚」をすることに決める。それはもちろん賢人を許すためではなく、浮気も結婚も、すべてを後悔させるための復讐だった。
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里麻は一時の感情に任せて怒りをぶつけるのではなく、極めて冷静に賢人を追い詰めていく。里麻は、彼が最も恐れている社会的地位を失うことを利用し、じわじわと逃げ場を奪っていく。裏切られた女性が泣き寝入りするのではなく、自分の意思で状況を有利に動かしていく姿には、痛快さがある。
さらに物語のスパイスとなるのが、里麻の元カレ・朔の存在だ。賢人との愛のない結婚生活に、朔がどう関わっていくのか。一度は終わったはずの関係が、里麻の企みのなかで再び絡み合っていく展開は、復讐劇でありながら大人の恋愛模様として大きな見どころである。
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読み進めるほどにタイトルの「後悔するのはアナタ」という言葉が、じわじわと効いてくる。果たして里麻の計画は成功するのか。そして「愛のない結婚生活」のなかで、里麻の心はどこへ向かい、最終的にどんな形の幸せをつかむのか。怒涛の展開にページをめくる手が止まらなくなる、大人のリベンジドラマである。
文=ちゃむ
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