
結婚相手の浮気を知った瞬間、あなたはどんな行動に出るだろうか。感情にまかせて相手に怒りをぶつけるのはそのひとつだろう。だが争うことが苦手な人はその気持ち押し込めてしまうかもしれない。『サレた日には夜食を』(ぺぷり:漫画、沫原ちみ:原作/KADOKAWA)は、夫に裏切られた妻が、夜食を通じて少しずつ自分の感情を取り戻していく物語だ。
主人公の帆花は争いごとが苦手な女性である。ある日、夫の言動に違和感を覚えたため、こっそりと夫のスマホを確認してみたところ、彼は浮気をしていた。しかしその裏切りを知っても正面から問い詰めることができない。もちろん怒りや悲しみがあるが、その気持ちを相手にぶつけられず、ひとりで抱え込んでしまうのだった。
続きを読む
そんな帆花が感情の逃げ場として選んだのが「夜食」だった。夫のいない日に作る背徳的な夜食は、ただ空腹を満たすためのものではなく、言えずに飲み込んだ言葉と怒り、夫の前でこぼせない涙を受け止めるためのものなのだ。夜食を食べながら、帆花は自分がどれだけ傷つけられているのかに気づいていく。怒りと悲しみの味は、彼女が自身の本音に触れるための大切な時間なのだ。
やがて帆花の妊娠が発覚したことで物語がさらに大きく動き出す。守るべき存在ができたことによって、彼女はようやく現実と向き合う覚悟を決める。夫と浮気相手の裏切りは想像以上に身勝手で、時には帆花の命に危険が及ぶような過激な展開もある。さらに、自分を犠牲にしてきた過去とも向き合うことになり、帆花は何度も苦しい現実を突きつけられる。しかし、ただもう泣き寝入りすることはなく、証拠を集めながら人生を取り戻すための行動に出るのであった。
続きを読む
夜食を食べながら、まっすぐ自分自身と向き合う姿に強さを感じる。傷ついても立ち上がり、自分というものをもう一度取り戻そうと前を向く帆花を最後まで応援したくなるだろう。
文=ちゃむ
記事一覧に戻る