
毎日の買い物を心から楽しんでいる人は一体どれほどいるだろうか。一刻も早く家に帰りたい――。そう思いながらスーパーへ足を運んでいる人はきっと多いはず。しかし『スーパーマーケット宇宙』(益田ミリ/KADOKAWA)を読むと、そんな退屈だった買い物が少しだけ楽しくなるかもしれない。
同作はスーパーマーケットを“巨大な宇宙”、食品や日用品などの各売り場を“惑星”にたとえ、著者の益田ミリさんが様々な思考を巡らせていくコミックエッセイ。棚に並ぶ何気ない商品から驚きの感性が次々と描かれる点が大きな魅力だ。
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例えばキャベツよりもうんと小さい「芽キャベツ」を見て、手のひらサイズの宇宙人を思い描く。その宇宙人に芽キャベツを持たせ、写真を撮り、SNSにアップ……と妄想を広げていくのである。何でもない買い物の時間も、見方ひとつでちょっとした遊び場に。そうやって日常に小さな仕掛けを加えていくと、退屈だった一日も案外悪くないものに思えるかもしれない。
さらに「自分を動物に例えるならナニ?」という質問にちなんで、「自分を乾麺に例えてみよう」と惑星“乾麺”に立ち寄る益田さん。「あたしゃ『そば』ではないな、ぜんぜん粋じゃない」「いや、しかし、ブツッと途切れる『十割そば』っぽさはある。同窓会とか行かないし」などと、乾麺で自分を見つめ直す姿には、なるほどそんな楽しみ方もあるのかと思わず納得してしまう。
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彼女ならではの買い物の楽しみ方が詰まった『スーパーマーケット宇宙』。その柔軟な発想に触れることで、きっと何気ない日常も少し違って見えてくるはずだ。
文=ハララ書房
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