
「女性ばかりの職場は人間関係が複雑になりがち」といわれることがある。だがそれは女性に限ったことではなく、人が集まるところに人間関係の問題は存在するものだ。『女社会の歩き方』(ぼのこ/KADOKAWA)は、女性ばかりの職場にあるさまざまな面倒事に直面し、そのひとつひとつに向き合っていく女性の姿を描いたコミックエッセイ。男性でも組織に所属する以上は避けて通れない問題について、解決のヒントを得られる内容となっている。
舞台は、女性スタッフが中心となっている子ども服ブランドの店舗。主人公・ぼのこは、派閥争いで有名な店舗へ異動したことで複雑な人間関係に巻き込まれていく。陰口やマウンティング、理不尽な上下関係、非効率なルールを目の当たりにし、疑問を抱きながらも厄介事にかかわらないために、そして標的にされないためにとりあえず静観するのだが、まずその姿に共感する人は多いのではないだろうか。
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とはいえ店長を目指すぼのこは、この状況を変えようという気持ちを強く持つ。そんななかでスタッフたちの人となりを見ていくなかで少しずつ意識が変わっていく。嫌味なことを言う人には理由があり、厳しい態度を取る人には立場や事情がある。表面的なことで「嫌な人」と片づけてただ排除しようとするのではなく、「なぜそんな言動をするのか」という視点を持って全員が働きやすくなるにはどうすべきかと考えるようになるのだ。
性別を問わず、人間関係に悩んでいる、または悩んだことがある人や、職場の空気に振り回されたことがある人は、ぼのこの試行錯誤は大いに参考になるだろう。だから本作は、冒頭にも述べたように女性ばかりの職場に当てはまるものではないのである。
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会社組織で働く以上、人間関係の悩みは避けられないが、それに対して「どう戦うか」ではなく、「どう向き合っていくか」が大切であると本作は気づかせてくれる。職場の空気に息苦しさを感じたことがある人には特におすすめしたい、働く人のための物語である。
文=つぼ子
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