
自分の子どものことが全然わからない。なぜ娘は不登校になってしまったのか……。
友達とも仲が良く、家族関係にも問題がないと思っていた小学5年生の娘・真奈。しかし、ある日から突然学校に行かなくなってしまい、母・千紗は戸惑う。真奈本人に理由を聞いてもはっきりとした返事はなく、担任教師やママ友に相談してみても原因はわからない。
学校にも家にも“居場所”がない。そんな思春期の行き場のなさと不登校をテーマに描いた『娘に死にたいと言われました 不登校の理由』(とーやあきこ/KADOKAWA)。真奈と千紗、それぞれの心情がリアルに描かれた本作はどのようにして描かれたのか? 著者であるとーやあきこさんに聞いた。
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――母親である千紗は、子どもの真奈が学校に行かなくなった最初の頃「30日学校に行かなかったら不登校」と話す担任教師に対し、「大げさ、まだその段階ではない」と感じます。これは取材などを通してそう感じる親御さんが多いという印象だったのでしょうか?
とーやあきこさん(以下、とーや):これに関してはどちらが多いとは言えませんが、親御さんの受け止め方は両極端だった印象があります。早い段階から学校側に積極的に相談する方もいれば「しばらく休めば元に戻るでしょ」と捉えていた方もいらっしゃいました。どちらがいいかはわかりませんが、私だったら「そんなに先のことを言わなくても」と思ってしまいそうなので、千紗のような言動を描きました。
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――千紗は学校に行かない真奈に、口では「のんびり過ごすんだよ」と言いながらも早い段階から不安を募らせます。この感情はどのようにして描きましたか?
とーや:「もし自分が千紗だったら」と何度も考えました。最近はネットですぐに情報を得ることができるので、不登校の対応として「焦らずのんびりと、子どものペースで」ということが大切だとはわかる。だから最初は落ち着いているのですが、ランドセルを背負っているお友達が楽しそうに学校へ通う姿を日常的に目にしてしまうと、自分だったら冷静でいるのが難しくなってしまうのではないかと思いました。
そして、子どものためを思って「学校へ行けなくても大丈夫な理由」を探していくうちに親の中で「学校へ行けないからこそ過ごせる実りある日々」を作らなければならないという思いに囚われて、かえって不安や焦りが生まれてしまうのではないかと想像しました。
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――真奈はそんな千紗の不安を感じ取り、イライラを募らせます。この感情はどのようにして描きましたか?
とーや:自分でも「どうにかしなきゃいけない」「どうにかしたい」と思っているけど、何をしたらいいかわからない。そんなもどかしい状況のときに、周囲から必要以上に心配されたり、アドバイスされたりするのは、大人でも辛いときがありますよね。大人であれば「放っておいてほしい。そっとしておいてほしい」と言えますが、それがうまく相手に伝えられない子どもだったらどんなに息苦しいだろう……。そんなことを想像しながら描きました。
――もし「子どもに学校に行きたくない」と言われ特に理由も話してくれない場合は、親はどのように行動したらよいのでしょうか?
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とーや:専門家の方からは「無理に理由を聞き出す必要はない」とお話しされていました。「無理に聞き出すよりも安心して家で過ごせる環境を作り、子どもから話してくれるのを焦らず待ってあげてください」と。とはいえ、問題があるなら早く解決してあげたいと思うのが親なので、もどかしいですよね。
取材・文=原智香
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