
自分の子どものことが全然わからない。なぜ娘は不登校になってしまったのか……。
友達とも仲が良く、家族関係にも問題がないと思っていた小学5年生の娘・真奈。しかし、ある日から突然学校に行かなくなってしまい、母・千紗は戸惑う。真奈本人に理由を聞いてもはっきりとした返事はなく、担任教師やママ友に相談してみても原因はわからない。
学校にも家にも“居場所”がない。そんな思春期の行き場のなさと不登校をテーマに描いた『娘に死にたいと言われました 不登校の理由』(とーやあきこ/KADOKAWA)。真奈と千紗、それぞれの心情がリアルに描かれた本作はどのようにして描かれたのか? 著者であるとーやあきこさんに聞いた。
続きを読む
――あとがきでは「周囲の人が当たり前にしていることなのに自分だけができないという状況程辛いものはない」とありましたね。とーやさん自身、そう感じることがあったのでしょうか?
とーやあきこさん(以下、とーや):周囲と比べてしまう癖があって。小さい頃から「どうして自分だけができないんだろう?」という焦りを持って生きてきた気がします。特に初めて会社勤めをしたときは、周囲より売り上げが上がらなかったり、みんながすぐに理解できることが自分だけ理解できなかったり。顔や態度には出さないようにしていましたが、毎日「辞めたい」と考えながら出社していました。
続きを読む
――辛い日々でしたね。その時の気持ちが真奈の心情を描くのに活かされているのかなと思いました。
とーや:「仕事は学生時代に積み重ねてきたものを発揮する場」という意識を強く持っていたので、仕事で何も成果が出せない現実を突きつけられたとき、「あぁ、やっぱり私は周囲に比べてできていないんだな」ということを再確認してしまって。自分自身にがっかりしてしまっていました。
――当時のことを今改めて振り返ると、どう感じますか?
続きを読む
とーや:周囲と比べて何もできない自分を認めて、ある程度開き直ってしまえばよかったのかなと思います。結局退職してしまったのですが、ネガティブになっても現状は変わらないので「まぁ、いっか」と開き直って、周囲と比べずに自分ができることだけに目を向けていればもしかしたら道が開けたのかもしれないなと。ただそれは今だから言えることなので、当時の私には「本当によく耐えて頑張った!」と声をかけてあげたいですね。
取材・文=原智香
記事一覧に戻る