
『安達さんはワタシのことが好き』(リアコミ:原作、友田よね:漫画/KADOKAWA)は、タイトルから受ける印象を裏切る作品だ。描かれているのは甘い恋愛ではなく、ヒリヒリとした「勘違い」と「独りよがりな愛」の物語だ。
主人公・玲香は、社長令嬢で何不自由なく育った女性。中途入社してきた安達恭介に一目惚れしたことをきっかけに、彼女の世界は一気に彼中心へと傾いていく。安達がバツイチのシングルファーザーだと知った玲香は「彼は大変な思いをしている」「私が幸せにしてあげなきゃ」と強く思い込む。献身的な優しさに見えるが、しかしそれは相手の事情を無視した、一方通行の感情だ。例えば、玲香が好意を伝えた際の安達のやんわりとした拒絶を「受け入れられた証」と受け取るなど、この「都合のいい解釈」が積み重なることで、実情とのズレがどんどん大きくなっていく。
続きを読む