
【怖い場面あり、苦手な人は閲覧注意!】
人気ホラー作家・背筋氏による傑作を、桃井ゆづき氏が圧倒的な画力でコミカライズした『穢れた聖地巡礼について』(桃井ゆづき:著、背筋:原作/KADOKAWA)。2巻では、1巻で提示された「ヤラセ」と「本物」の境界線がさらに曖昧になり、読み手を底知れぬ恐怖へと引きずり込んでいく。
元オカルト雑誌の編集者で今はフリー編集者の小林は、イケメンYouTuberのチャンイケこと、池田が運営する「オカルトヤンキーch」のファンブック企画を出版社に持ち込む。しかし書籍を出すにはチャンネル登録者数が心許ないため、過去に池田が動画で取り上げた心霊スポットの追加取材を行うことに。ネット等で集めた情報をもとに、小林は読者が喜びそうな考察をでっちあげていくのだが――。
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2巻の舞台となるのは、死者に会えるという噂の通称「天国病院」と呼ばれる廃病院。小林はよりファンブックに魅力を持たせるため、女性フリーライターの宝条をチームに招き入れる。宝条は「幽霊が見える人」で、霊の存在を真っ向から否定しエンタメとして動画を作る池田とは対照的な人間だ。果たして、そんなふたりの価値観の違いが物語にどんな展開を生み出すのかも見どころである。
「頭が風船のように膨らんだ男に追いかけられた」「亡くなった知り合いから電話がかかってくる」といった掲示板に寄せられた天国病院での体験談を、小林たちは単に「面白いネタ」として消費しようとする。しかしそれは次第に、噂の域を超えたものへと姿を変えていく――。
首から上が異様に膨らんでいく男が迫ってくる場面など、ビジュアル的な恐怖も持ち合わせている本作。読後は背後を振り返るのが怖くなる、そんな作品だ。
文=坪谷佳保
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