
『田舎の家は、女の地獄 女を舐めきった家族に制裁を』(Meg:原作、モリナガアメ:漫画/KADOKAWA)は、「家族」という言葉の裏にある理不尽さと、古い価値観に立ち向かう過程を描いた作品だ。
主人公の千佳は、子どもを連れて東京から夫の実家のある地方へと移り住む。そこで待っていたのは、時代に取り残された価値観が色濃く残る、想像以上に閉鎖的な世界だった。「男の子を産んで一人前」「長男至上主義」「嫁は黙って尽くすべき」。そんな考えが当たり前のように押し付けられていく。
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義母・美佐子が繰り返す「辛抱」という言葉が象徴的で、彼女自身もまた、その価値観の中で生きてきたのだ。見下され、こき使われながらも「辛抱」と自分に言い聞かせ、亭主関白の夫に尽くし続ける。その姿が、歪んだ構造の根深さを際立たせる。
最も腹立たしいのは、味方であるべき夫の変貌だ。東京にいたときは優しかった彼が、実家に戻った途端にその価値観に同調する。横柄な態度を取り、身勝手な振る舞いを繰り返し、挙句の果てに不倫までしてしまう。すでに限界だった千佳にとって、それは決定的な裏切りだ。
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だが本作は単なる不倫劇で終わらない。追い詰められながらも自分の人生を取り戻そうとする千佳の変化が大きな見どころだ。義母の「秘密」を知ったことで、千佳の立場は変化し、物語は大きく動き出す。読み進めるほどに積み重なっていた怒りとやるせなさが、「ここからどうやって抜け出すのか」という期待感に変わっていくのだ。タイトルにある「制裁」という言葉が示す、千佳の反撃と読後の爽快感に期待してほしい。
辛抱を強いられ続けた女の怒りはどこへ向かうのか。その行き着く先を見届けずにはいられない。
文=ゆくり
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