
1年前のある日、お腹を下すようになったポポ美。それ以来、快便でも出し切った後でも、幾度となく腹痛に襲われるようになってしまう。さらには電車に乗っている時、強い腹痛からホームに倒れるなど、日常生活にも支障が出るように。困り果てたポポ美はありとあらゆる手段でお腹の痛みに立ち向かおうと決意する。しかし食生活に気を付けても効果はなし、大腸検査を受けるものの異常なし……。そんな時、後輩からの勧めで心療内科を受診する。そこでついた診断名は「過敏性腸症候群(IBS)」(腸に炎症やポリープのような異常がなくとも、刺激に対して過敏に反応する状態になり便通異常を起こす症状)だった。
自身も過敏性腸症候群と診断された経験を持つ著者・鳥頭ゆばさんの経験をもとに描かれた『おなかよわい子ちゃん 万年不調な私の胃腸が教えてくれたこと』(KADOKAWA)。ご自身の体験をどのように作品に落とし込んでいったのか、過敏性腸症候群の辛さについて鳥頭さんにお話を伺った。
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※個人の体験、お話をもとにインタビューを行っています。症状など、詳細は医療機関等にご確認ください。
――過敏性腸症候群と診断がつく前には、たくさんの病院を回られたとのことですが、作中には「じっくり話せば今までの先生もきっと助けてくれたんだろう」という反省の言葉もありました。鳥頭さん自身は、今振り返ると「もっとこうしておけばよかったのかも」というところはありますか?
鳥頭ゆばさん(以下、鳥頭):いや、今考えてもどうしようもなかったのかなと思います。作中では省略しましたが、実際は「足の筋肉の問題なのかも?」ととある先生に言われて整体に行ってみるなど、本当にいろいろな病院に行き、いろいろなことを試したんです。総合病院のような大きな病院に行ってみれば多角的に可能性を考えてくれるのかも? と考えて足を運んだことも。作品の解説を担当してくださった小幡泰介先生に教えてもらったことですが、自分が「信頼できないな」と感じる場合は、他のお医者さんを試してみてもいいですし、「信頼できそう」だと感じた場合は、少し時間をかけて通ってみるのがよいのだと思いました。
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――心療内科で抗うつ剤か抗不安薬を出そうかと言われたとき、主人公は依存性が高いのではないかと心配します。それは先生の当時の考えですか?
鳥頭:今思えは偏見でお恥ずかしいのですが、心療内科のお薬って一度始めるとやめづらいというイメージがありました。でもこの時自分でも調べてみて、問題が起きるのは規定量を守らなかった場合であって、きちんとお医者さんの指示通りに飲めば依存にはならないのだとわかりました。実際、私の場合は大きな問題は起きないまま、薬をやめることができました。
――今はまったくお薬を飲んでいないのでしょうか?
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鳥頭:薬がまったくないと不安な気持ちもまだあって。先生に相談して頓服薬をいただいて、電車に乗る前や「今お腹が痛くなったら嫌だな」と不安になったときに飲んでいます。もうプラシーボ効果みたいなところもあるのかもしれませんが、お守りみたいなものですね。
取材・文=原智香
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