
「家族が好き。でも私を忘れずにいたい」
子どもを持ち、日々に追われるなかで、ふとそんな気持ちを抱いたことはないだろうか? 漫画家・ツルリンゴスターさんによるエッセイ漫画『いってらっしゃいのその後で』(KADOKAWA)の帯に添えられたこの言葉は、多くの共感を集めている。夫と3人の子どもたちとの暮らしを描きながら、“個”としての自分と向き合う姿や、子どもたちをそれぞれひとりの人間として尊重し、5人でよりよく生きていこうとする日々が丁寧に描かれている。
本作と続編である『いってらっしゃいのその後で 転がり続ける毎日編』(同)について、ツルリンゴスターさんにインタビュー。流れていく日々のなかで大切にしていることや、迷いながら向き合ってきた思いについて話を聞いた。
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――『いってらっしゃいのその後で 転がり続ける毎日編』の「おともだちになろうよ!」では保育園の帰り道、偶然一緒になったお母さんと何を話したらいいか悩むというお話ですが、その後いわゆるママ友との関係はいかがですか?
ツルリンゴスターさん(以下、ツルリンゴスター):今でも変わらずアワアワしています。昨日も小学校の先生から電話がかかってきて「もう本当に(私が)友達ができなくて、何の情報も入ってこないんです」と悩み相談をしたところで(笑)。娘が仲良くなったお友達のお母さんと仲良くなるなど、子どもが縁を繋いでくれた方とは仲良くさせていただいています。
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――ママ友ができない、何を話していいかわからない、というのは共感される方がすごく多いだろうなと思いました。悩んでいる方に声をかけるとしたら?
ツルリンゴスター:私自身悩んでいますが、まずママ友はいなくてもいいというのは大前提ですよね。無理して仲良くなる必要はないというか。ただ子どものおかげで何人かの親御さんと繋がる中で、ママである・子どもがいるという共通点はあるものの、本当にいろんな人がいるのでお話しするのは楽しいです。それにみんな悩んでいるし、頑張っている。私が「こういうことで悩んでいる」と話すと「私も」みたいに返してくれるのが、他の関係の友達とはまた違った良さだなと。なんというか、マラソンを一緒に走っている感じがします。
――確かに、目下同じ状況にいる者同士だからこそ、話すことで救われることがありますよね。
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ツルリンゴスター:私自身「社交的な人見知り」と自分のことを言っているんですけど、誰かと仲良くなりたいけど人見知りで最初の一歩が出ないと悩んでる人は、ちょっと流れに身を任せてみるといいと思いますね。トライしてみたら、しんどいことも起こるかもしれないけど楽しいことも起こるかもしれないので。
取材・文=原智香
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