
2匹の猫と暮らす40歳独身の安達珠子。ある日インフルエンザで倒れたことをきっかけに「自分にもしものことがあったら飼い猫たちはどうなるのか?」という不安に駆られ、婚活を決意する。しかし性欲がなく、子どもも欲しくない珠子を理解してくれる人はなかなか現れない。そんな中、保護猫施設のボランティアを一緒にしている男性・篠田雅が同じことを考えていることを知り、勢いでプロポーズしてしまう珠子。意外なことに雅からの返事はOK。猫好き同士の交際0日婚が始まるが……。
自身も猫を飼っているマンガ家・たけみゆき氏が友人から聞いた話を基に描いたという『ねこ婚 猫のための交際ゼロ日婚』(KADOKAWA)。猫マンガとしての魅力がたっぷりなのはもちろん、「猫のため」という利害から始まる恋愛抜きの結婚生活を描くことで、これまでの家族の形にしばられず、誰かと一緒に生きることの魅力を描いた作品だ。
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たけさんにマンガのことから結婚生活を維持する秘訣、猫を飼う覚悟など、さまざまなお話を伺った。
――たけさんご自身も猫を飼っているとのことですが、いつから飼っていらっしゃるのでしょうか?
たけみゆきさん(以下、たけ):物心ついた頃からいつも傍に猫がいました。最初に飼っていた猫は私が10歳くらいの時に亡くなってしまったのですが、その後高校生くらいの時に庭に迷い込んできた猫と実家で暮らしていました。結婚後は猫と暮らしたくて、ペット可の物件を購入したほどです。今飼っている猫は、姉が勤めていた動物病院の前に捨てられていた子なんです。それから数年後に駐車場にいた猫も保護して、今は2匹の猫と暮らしています。
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――最近「『NNN(ねこねこネットワーク)』(猫好きの人間のもとに主に野良猫を派遣し、飼い猫として幸せに暮らせるように暗躍している猫による猫のための組織)」という言葉を耳にします。
たけ:猫好きによって読み方が違うかと思うのですが、私は「NNN」を「にゃんにゃんネットワーク」と呼んでいます。今思えば、私の実家はNNNから本当に狙われていたんじゃないかと思います。高校生の時、ある朝パッと庭を見たらプランターに猫がいて「生えてきたのかな?」と思ったほど野良猫が馴染んでいたんです。それ以外にも、家の裏のフェンスによく猫が登ってきていて。「この家に行ったらご飯がもらえる」と、猫同士のネットワークで共有されていたのではないかなと思います。
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実は我が家の2匹目の猫との出会いも、たまたまだったんです。いつもはあまり行かない公園に行ってみたら、その向かいの駐車場で弱っている猫を発見したのがきっかけでした。まさにNNNに導かれたのではないかなと。NNNに「猫を託せる」と思われていたらとても光栄です。
――本当に猫がお好きなんですね。主人公の珠子も自分よりも猫を優先するくらい猫を可愛がっていますが、そこまで思わせてくれる猫の魅力はどんなところにあるのでしょうか?
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たけ:猫は同じ家で暮らしていても、“猫は猫で人間は人間”というか、それぞれ暮らしている感じで独立心が強いんですよね。好きな時に甘えてきたりご飯を要求してきたりはしますが、飼っている飼われているという関係ではなくて“各々好き勝手に仲良く生きているよ”という感じなんです。生き物としてふわふわしていて可愛いのはもちろんですが、それぞれ生きているという生活スタイルも魅力なのではないでしょうか。
取材・文=原智香
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