
テレビアニメ・ドラマ化もされた『女子高生の無駄づかい』(KADOKAWA)で知られる漫画家・ビーノさん。彼女が自身の子育てについて描いた育児エッセイ漫画の第2作となるのが『エモーショナルイヤイヤ期 ~人間を3年育ててみた~』(KADOKAWA)だ。
俗に言う“魔の三歳児”になった息子・ぽよくんとの日々は笑い、感動、困惑……まさに感情のジェットコースター!? “育児あるある”をビーノさん独特の視点でポジティブ&コミカルに描いた本作は3歳児を育てたことがある人ならみんな共感の嵐を体験できるはず。そんな本作について、そして現在4歳半になった息子・ぽよくんとの日々について、ビーノさんにお話を伺った。
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――本作の描き下ろしパートでは、育児の中での辛かった記憶についても描かれていますね。
ビーノさん(以下、ビーノ):そもそもの作品のコンセプトとして読者の方に「少しでもクスッと笑ってほしい」「ほっこりしてほしい」との思いがあったので、なるべく負の側面は避け、コミカルで軽い雰囲気になるよう描いていました。ですが実際の生活は、家事育児と仕事の両立で疲弊していたり、情緒不安定になったり、夫婦喧嘩ばかりでギスギスしたりと荒んでいることも多かったので、「嘘はついていないけど、本当のことを描いていない」というジレンマがずっとありました。ネガティブな内容も描きたいけれど本編で描くのも違うと思ったので、あとがきでちょこっと自白させていただいた次第です。
――個人的にはすごく共感しましたし、「こんなに楽しそうに育児されているビーノさんでも辛い時があるんだな」と思ったら心が軽くなりました。
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ビーノ:そう言っていただけると嬉しいですね。このエピソードを描いたのは今話したように自分がスッキリするためでもありますが、「こんな楽しいことばかりの日々ではなく、実際は裏でめちゃくちゃに病んでいた」という負の側面が、同じように育児に疲れている誰かの心に寄り添えるんじゃないか、と思ったという理由もあるので。
――当時と比べると、現在は辛くなる時は減りましたか?
ビーノ:圧倒的に減りました。一番きつかったのが2歳児の時期でしたが、それに比べて今は幸せを噛み締める時間の方が多いです。
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――今も「自分はいい母親ではない」と思ったり、子育てに悩みを抱えている方も多いと思います。そういった方にはなんと声をかけたいですか?
ビーノ:私自身、育児エッセイ漫画を描いておきながら「自分は育児に向いていない」と感じることは多かったです。そんな時、ネットのお悩み相談で「育児は向いているかいないかの問題ではなく、子どもと向き合っているかいないかでしかない」という回答を見かけて。当時の自分にものすごく刺さりました。うまくできないと悩んでいる方がいたら、「悩んでいることこそがお子さんと向き合っている証拠なのでもう充分頑張っています!」と伝えたいですね。どなたかの言葉の引用で大変恐縮ですが。
取材・文=原智香
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