
『腐女医の医者道! 外科医でオタクで、3人子育て大変だ!編』(さーたり/KADOKAWA)は、現役の外科医であり、3児の母親であり、オタクでもある著者が、その怒涛の日常をユーモアたっぷりに描いた人気コミックエッセイの第2弾だ。
第2子の妊娠時に「不育症」と診断され、「また流産するかもしれない」という不安を抱えながらも、悩んだ末に3人目を望む決断をした著者・さーたり氏。インフルエンザで受診した際に職場のエコーを使って自ら妊娠を確認するという医師ならではの場面も描かれつつ、不安を乗り越えて無事出産し、にぎやかな3児の育児の日々が幕を開ける。
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本作は、医療現場の裏側というほとんどの読み手にとっては「非日常」と、家庭生活のドタバタという「日常」が絶妙なバランスで混ざり合っている。飛行機内でのドクターコールに遭遇する緊張感あふれる場面もあれば、自身の健康診断でC判定を受けてしまうという医者の不養生を地で行く一面もあり、そのギャップが人間味を感じさせ、思わず引き込まれてしまう。本編で一貫しているのは、笑いの奥にある「命の現場」への真摯なまなざしであり、単なるギャグエッセイにとどまらない深みにつながっている。
そして、本作最大の魅力は、なんといっても著者の「圧倒的なバイタリティ」だ。外科医という職業は激務の代名詞のような職業だ。そこに3人の育児が加わるだけでも想像を絶するのだが、著者はさらに「オタク活動」という己の魂の救済行為をねじ込んでいく。妊婦としての生活とオタ活を両立させるエピソードなどは、同じ趣味を持つ人にとって共感の嵐だろう。
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仕事、家庭、趣味のすべてを全力で楽しみ、もがき、駆け抜ける。そんな三刀流の著者の姿は、視野が狭くなりがちな現代人に圧倒的なエネルギーを与えてくれるだろう。
文=坪谷佳保
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