
『慰謝料1億円をクズ旦那に払わせる作戦』(薄荷通:漫画、サレ妻美奈子:原作/KADOKAWA)は、タイトルのインパクト通り、夫の裏切りによって人生を壊されたサレ妻が徹底的な反撃を決意する復讐ドラマだ。
主人公は41歳の主婦・美奈子。ある日、彼女のもとに「あなたの夫は浮気しています」という匿名のメールが届く。送り主は不明だが、そこには夫・一起が新宿のバーの女性と関係を持っているという具体的な情報が書かれていた。半信半疑のまま夫の行動を追った美奈子は、出張と言って出かけた夫が、実は不倫旅行に行っていたことを目撃してしまう。幸せだった結婚生活はその瞬間から音を立てて崩れていく。
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美奈子は大手建設会社の社長令嬢として育った女性で、夫の事業も実家の支援のもとで成長してきた背景がある。つまり、夫の成功の裏には妻の家族が大きく関わっているのだ。にもかかわらず夫は不倫を重ね、なんと隠し資産まで抱えている可能性が浮上する。裏切りのスケールは想像以上に大きかったのである。
ここから物語はタイトル通りの展開へと向かう。美奈子は泣き寝入りするのではなく、夫の不倫と資産の実態を徹底的に調べ上げ、人生を取り戻すための「作戦」を立て始める。証拠を集め、裏切りの構図を暴き、そして夫に責任を取らせようとするのである。この展開は復讐劇としてだけでなく、裏切りによって奪われた人生を取り戻す美奈子のたくましさを追体験できるところも楽しめるだろう。
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1億円という金額は、普通の感覚だと怯んでしまうものだ。突然サレ妻に突き落とされた女性が、絶望の中からどうやってそれを払わせるのか。そして、失われた人生を取り戻すためにどこまで戦うのか。「慰謝料スペクタクル」ともいうべき本作を最後まで見届けてほしい。
文=馬風亭ゑりん
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