
職場の人間関係やトラブルに不安を感じたことはないだろうか。『御社のモメゴト それ社員に訴えられますよ?』(村井真子:原作、ぺぷり:漫画/KADOKAWA)は、社内で起きるさまざまな「モメゴト」を社労士の視点から描いたコミックである。
主人公は、独立して2年目の社労士・真実。小学生の娘を育てながら働くシングルマザーでもあるため日々忙しい生活を送っている。そんな彼女のもとには、企業からさまざまな相談が舞い込んでくる。社労士(社会保険労務士)とは、人事や労務の専門家として書類の作成などのほか、職場のトラブルを未然に防いだり、ときには起きてしまった問題の対応もする存在だ。不倫、セクハラ、パワハラ、メンタル不調、不当解雇。真実が扱うのは、どれも現実社会で起こっている厄介な案件ばかりである。
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ある日、得意先からの紹介案件が舞い込んでくる。とある会社で、やり手の課長と女性社員が不倫しているという事実無根のウワサが広まり困っているというものだった。依頼を受けた真実はその会社を訪れ、関係者から話を聞きながら、そのウワサが流れた背景や現場の空気を調査していく。すると――。
また、デザイン会社での新人教育とクレーム対応をめぐるエピソードも印象的だ。顧客の無理難題に疲弊する現場と、精神的に追い詰められていく新入社員。ここでも真実は、相手の立場や心情をよく観察し、単純に正論だけでは解決できない問題に踏み込んでいく。法律と人の気持ち、その両方を考えながら解決策を探る姿は、社労士という仕事の奥深さを教えてくれ、社会にとって不可欠なものであることを感じさせる。
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職場は人生の多くの時間を過ごす場所であるため、そこで問題に巻き込まれれば生活そのものに大きな影響が出てしまう。本作はその現実を描きながら、トラブルとどう向き合い、どう乗り越えていくべきかのヒントを与えてくれるだろう。そして働き方というものをあらためて見つめ直させてくれる作品だ。
文=つぼ子
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