
「詐欺師」と聞けば、いかにも怪しげな風貌を想像する人もいるだろう。コミックエッセイ『100万円、預けた先は詐欺でした? ~風の時代とお金の話~』(大久保ヒロミ/電書バト)で描かれる投資詐欺(師)の実態は、そんな想像とはかけ離れていた。
「あなたの仕事のためになる」優しい言葉で近づいてきたのは、10年以上も信頼していた心理カウンセラーだった。『人は見た目が100パーセント』で知られる著者・大久保ヒロミさんは、そのカウンセラーに言われるがまま投資を始めることに。しかし、どこかおかしい! 「普通の良い人たち」が人の心と財産を蝕んでいく様子からは、独特のリアルな空気を感じられる。
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なぜ大久保さんは投資の道に? 詐欺師は誰だった? そして、この経験を通して見えてきた「人間関係の本質」とは? 本作の制作背景を著者にうかがった。
※『100万円、預けた先は詐欺でした? ~風の時代とお金の話~』のエピソードに基づいてインタビューを行っています。詐欺被害に遭った場合は適切な機関へ速やかに相談してください。
――投資仲間が集まり、あれよあれよという間に勉強会が始まりました。そこから、10年以上のお付き合いがある心理カウンセラー・心葉さんとの関係が悪い方に変化していく様子は、非常に印象的です。
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大久保ヒロミさん(以下、大久保):詐欺に遭ったことよりも、心葉さんを「詐欺に関わっているのかも?」と疑わないといけない時や、心葉さんに対して「こういう人だったんだ…」と思う時が辛かったですね。
――心葉さんへの思いはどのように変化していったのでしょう?
大久保:彼女が声を荒らげたり、理解できない言動が目立ってきたりした時は、正直、めちゃくちゃショックでした。最初は、理解しようと頑張っていましたね。心理カウンセリングで救われた恩もあるので、「彼女なりの苦労があるんだ」と…。目の前の事実ではなく、それまでの関係性や、自分の弱さが私をとどめていたんだと思います。
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――金額的な損失ではない、「信じていた人が信じられなくなる」といった複雑な心境は、どのように整理していったのでしょうか?
大久保:時間の経過とともに、少しずつ気持ちが落ち着いていったものの、最後まで尾を引いたのは「自分の弱さ」です。心葉さんという、私にとっての「すがる対象」がいなくなるのが怖かった。
このままの関係を続けようか? カウンセリングだけは継続しようか? と打算的に考えたこともあります。他に良いカウンセラーを探さなきゃ、とか。縁が切れた今は、心葉さんのカウンセラーとしての能力が徐々に落ちていったことで、金銭面が厳しくなり彼女も投資に手を出したのかなと客観的に考えられるようになりました。
取材・文=松本温美
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