
「詐欺師」と聞けば、いかにも怪しげな風貌を想像する人もいるだろう。コミックエッセイ『100万円、預けた先は詐欺でした? ~風の時代とお金の話~』(大久保ヒロミ/電書バト)で描かれる投資詐欺(師)の実態は、そんな想像とはかけ離れていた。
「あなたの仕事のためになる」優しい言葉で近づいてきたのは、10年以上も信頼していた心理カウンセラーだった。『人は見た目が100パーセント』で知られる著者・大久保ヒロミさんは、そのカウンセラーに言われるがまま投資を始めることに。しかし、どこかおかしい! 「普通の良い人たち」が人の心と財産を蝕んでいく様子からは、独特のリアルな空気を感じられる。
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なぜ大久保さんは投資の道に? 詐欺師は誰だった? そして、この経験を通して見えてきた「人間関係の本質」とは? 本作の制作背景を著者にうかがった。
※『100万円、預けた先は詐欺でした? ~風の時代とお金の話~』のエピソードに基づいてインタビューを行っています。詐欺被害に遭った場合は適切な機関へ速やかに相談してください。
――物語の冒頭では、漫画の連載が打ち切りになったシーンがありました。これが投資を始める決め手になったのでしょうか?
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大久保ヒロミさん(以下、大久保):投資のきっかけは、打ち切りになったことによるお金の不安というよりも、漫画が描けなくなる不安でした。私にとって、漫画は生きがいなので。
その不安を抱えていた時に、10年以上お世話になっていた心理カウンセラー・心葉さんの話に耳を傾けてしまった。作品では詳しく描いていませんが、彼女は出版社を通さずに漫画を発信する方法も提案してくれたんです。
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今思えば、打ち切りになっても、これまで通り次の作品を出版社に提案すれば良かったんですけどね。コロナ禍だったこと、出版不況が深刻になっていったタイミングも重なり、漫画家として新しい方向性を見つけようと、私も必死に考えていたんだと思います。
――心葉さんをはじめ、登場する人たちはみんな素朴で普通の方たちですね。登場人物を描く時、どんな表現を心がけましたか?
大久保:タイトルで「詐欺」と言ってしまっているので、読んでいる方々はすべての登場人物に対して「こいつは怪しいんじゃないか」という意識が入りますよね。それもあり、「この人は詐欺師だ」とすぐにわからないよう、注意したつもりです。
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ただ本当に、会った人はみんな普通の方々。私がイメージしていた、いかにも怪しそうな見た目の人はいなくて、何かに悩んでいたり、素直だったりする。私が感じたリアルな印象を大切に描きました。
取材・文=松本温美
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