
「詐欺師」と聞けば、いかにも怪しげな風貌を想像する人もいるだろう。コミックエッセイ『100万円、預けた先は詐欺でした? ~風の時代とお金の話~』(大久保ヒロミ/電書バト)で描かれる投資詐欺(師)の実態は、そんな想像とはかけ離れていた。
「あなたの仕事のためになる」優しい言葉で近づいてきたのは、10年以上も信頼していた心理カウンセラーだった。『人は見た目が100パーセント』で知られる著者・大久保ヒロミさんは、そのカウンセラーに言われるがまま投資を始めることに。しかし、どこかおかしい! 「普通の良い人たち」が人の心と財産を蝕んでいく様子からは、独特のリアルな空気を感じられる。
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なぜ大久保さんは投資の道に? 詐欺師は誰だった? そして、この経験を通して見えてきた「人間関係の本質」とは? 本作の制作背景を著者にうかがった。
※『100万円、預けた先は詐欺でした? ~風の時代とお金の話~』のエピソードに基づいてインタビューを行っています。詐欺被害に遭った場合は適切な機関へ速やかに相談してください。
――『100万円、預けた先は詐欺でした? ~風の時代とお金の話~』タイトルの通り、大久保さんは100万円の投資詐欺被害に遭いました。ご自身が詐欺被害に遭っている、と実感したのはどんなタイミングだったのでしょうか。
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大久保ヒロミさん(以下、大久保):投資を始めたのは、2022年の終わりから2023年の初頭でした。今から3年ほど前ですね。もともと、詐欺に遭うとは思っていなかったものの、心の中では「この投資、成功するのかな?」と半信半疑だったんです(笑)。
ただ2025年に入り、実際にお金が返ってこなくなったあたりから、いよいよ怪しくなっていき…。一旦、「私は詐欺に遭ったのだ」という前提で、様子を見てみたんです。すると、どんどん「どう考えても正真正銘の詐欺だよな?」と思えることが浮かんできて…という感じです。
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――誰が詐欺師で、被害者なのか、物語の中で明確にしない意図があるように感じました。読み手の解釈に委ねる表現は意識されたのでしょうか?
大久保:私が関わったみなさんは本当に普通の方で、良い人たちでした。いまだに、どの人が詐欺をしようと思っていた人で、どの方がそうじゃないのか…断定できないんです。そういう心模様も反映させています。
取材・文=松本温美
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