
夫の策略に嵌められ、借金を背負わされた妻の復讐を描く『夫がゴミだと気づいたので捨てさせていただきます』(ゴルゴンゾーラ:原作、とあじゃぱ:漫画/KADOKAWA)。はたして妻に逆転できる未来はあるのか。
元No.1キャバ嬢の菜々は、「会社のお金を使い込んだ」という夫・圭介のために、借金をしながらお金の工面をする。しかしそれは夫の仕掛けた罠だった。卑劣な印象操作で、逆転不可能な状況に追いやられた菜々…彼女はどう窮地を脱する? 本作の夫婦を例に、離婚カウンセラーでもある「家族のためのADRセンター」代表・小泉道子さんに、夫婦の在り方やお金についての話を伺った。
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――小泉さんは「家族のためのADRセンター」の代表を務め、離婚に悩む方々へのカウンセリングや協議のサポートに尽力されています。まずは、ADRという仕組みについてお聞かせください。
小泉道子さん(以下、小泉):ADRは、「当事者同士での対話は限界だが、弁護士を立てて法廷で争うことは避けたい」と考える方にとって、非常に使い勝手の良い制度です。
私が設立した「家族のためのADRセンター」は、本格的な手続きの前段階からサポートを行う民間調停機関です。現在、当センターには年間700件から800件にのぼる相談が寄せられています。
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――本作の妻は、キャバクラ勤務時代の常連客だった夫と結婚し暮らしています。しかし夫からは日常的に「キャバ嬢だったのに地味でつまらない」などと罵られ…。このような夫婦関係を見て、どうお感じになられましたか。
小泉:パートナーを傷つけるような夫の言動はDVに当たると思います。正当な意見交換をするならともかく、漠然と「地味だ」「つまらない」と言われてもなかなか直しようがありません。また、夫のこうした言動は次第にエスカレートし、「お前はバカだ」「妻として失格だ」など妻の人間性の否定に発展することが考えられます。
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――キャバ嬢だったからと、妻は周囲から冷ややかな目で見られています。職業差別と戦う術はありますか。
小泉:どの職業にどんな感情や感想を抱くのかは人それぞれではありますが、やはりこのケースのような水商売や性に関する職業は差別を受けがちです。
「戦う術」とは少し違うかもしれませんが、自分自身がその仕事をする「理由」をしっかり認識し、人から何を言われても気にならないメンタルを作ることが大切だと思います。
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取材・文=あまみん

小泉道子(こいずみ みちこ)
「家族のためのADRセンター」代表。家庭裁判所調査官として、夫婦の離婚調停の仕事に15年間従事。その後、民間調停機関「家族のためのADRセンター」を立ち上げる。離婚カウンセラーとして、親の離婚に直面する子どもたちのケアにも力を入れている。
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