
2026年は東日本大震災から15年。話題にあがる機会も減りつつあり、当時のことを知らない世代も増えてきた。しかし日本のどこにでも、いつ起きても不思議ではないのが地震。あなたは「今日地震が起きても大丈夫」と言える備えをしているだろうか?
2025年12月に発売された『今日、地震がおきたら』(アベナオミ/KADOKAWA)は宮城県利府町で地震にあい、当時1歳7か月の長男と夫と共に自宅避難生活を経験した著者・アベナオミさんによる実録コミックエッセイ。3月11日から3週間の日常がリアルに、鮮明に記録されている。子どもにも当時のことが伝わるようにと漫画の漢字全てに読みがながふられるなど、アベさんの思いが詰まった一冊だ。
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震災後、防災士の資格も取得したアベさんに、当時のことや本書のコラムの中でも特におすすめしたい防災術についてなどお話を伺った。
※『今日、地震がおきたら』は、著者が東日本大震災を経験した当時(2011年3月11日〜4月)の詳細なメモを元にまとめています。その中で津波など自然災害を想起させるシーンがございます。お読みになる際は、予めご留意ください。
――本作を執筆された理由を教えてください。
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アベナオミさん(以下、アベ):以前から防災に関する本は出させていただいていたんですけど、それって防災に興味を持った人にしか伝わらないんですよね。例えば書店では防災のコーナーに置かれるわけですが、興味がない人はそもそもその棚に行かないじゃないですか。でも本当は普段防災について考えていない人にこそ伝えたい。そう考えた時に、コミックエッセイだったら漫画の棚に置いてもらえるから、防災についてあまり考えてこなかった方の目にも留まるのではないかと思ったんです。
――なるほど。
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アベ:あと、子どもに伝えたいと思ったのも大きな理由です。我が家では長男だけが震災を経験しているのですが、当時1歳だったので記憶はないんです。次男・長女にも当時のことを聞かれれば答えていましたが、具体的にどんなことが大変だったかまでは伝わっていなくて。時系列で当時の状況が伝わるものがほしいなと思って担当の方と一緒に作らせていただきました。
編集担当:本書は総ルビといって、漫画の漢字全てにひらがながふってあるんです。これも子どもたちに読んでほしいというアベさんの思いから実現しました。
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――日々の出来事がすごく詳細に描かれていますよね。日記やメモを残していたのでしょうか。
アベ:携帯電話にメモをしていました。最初電気もない生活をしている中で「こういう体験をすることはもう一生ないかも」と思って記録を残しておくことにしたんです。普段日記をつけたことはないのですが、自分の気持ちを吐き出す意味もあったので続けられたのかもしれません。でも実はこの本を描こうと思うまでメモのことは忘れていて。構成を考えている中でふと思い出しました。結果としてはこのメモのおかげで作品が出来上がったと言っていいほど重要なものになったので、当時の自分に感謝ですね。
取材・文=原智香
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