
「ゲーム依存症」に陥った夫と、それに振り回される家族の姿を描いた物語『子どもの命よりソシャゲが大事ですか?』(aco:原作、茅野:漫画/KADOKAWA)。
妻・清美を悩ませているのは、家事も育児もせず、ソシャゲに夢中になる夫・達也の存在だ。夫は、娘のための大切な貯金から87万円もゲームに課金していた。どんなにスマホから引きはがそうと苦心しても、夫は嘘に嘘を重ねてゲームの世界にのめり込んでいってしまう。
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やがてゲーム依存をきっかけに、夫は道を大きく踏み外してしまうことに…。その時、妻は? 娘は? 本作の家族を例に、離婚カウンセラーでもある「家族のためのADRセンター」代表・小泉道子さんに、依存症や離婚についての話を伺った。
※『子どもの命よりソシャゲが大事ですか?』のエピソードをもとにインタビューを行っています。依存症についての詳細は専門機関などにご確認ください。
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――夫の暴力がきっかけで子どもが怪我を負い、妻は怒りに震えます。子どもを傷つける人とは一緒にいられないと感じたとき、一番にとるべき対応を教えてください。
小泉道子さん(以下、小泉):一番冷静な判断が求められるタイミングです。拙速に判断し、かえって子どもにショックを与えるのも問題ですし、いつまでもぐずぐずしていて子どもの心の傷が広がるのも問題です。早期に離れる準備をし、別居状態を確保したうえで、今後の方針をじっくりと話し合うのがいいでしょう。
――さらに夫は、子どもの入院費までソシャゲ課金に使おうと画策。異常な心理状態ともとれるパートナーにどう接するべきでしょうか。
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小泉:依存症の人に怒りの感情を抱いたり、ぶつけたりしても感情の無駄遣いになってしまいます。「この人は病気なんだ」と割り切ることが必要です。
――父親はゲーム依存、そして育児放棄。仮に本作のような暮らしが続いた場合、子どもたちにどのような影響が考えられますか。
小泉:物語の中の父親は、子どもの怪我や病気の世話よりもゲームで遊ぶことを優先していました。その様子を見る限り、この暮らしが続けばやがて子どもたちの命に危険が及ぶ可能性があります。
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また、「お父さんは自分たちよりゲームを優先している」という現状を目の当たりにすることで、子どもたちの自己肯定感の低下も懸念されます。その結果、自分を大切に扱えず、さまざまなトラブルに見舞われてしまうかもしれません。
取材・文=あまみん

小泉道子(こいずみ みちこ)
「家族のためのADRセンター」代表。家庭裁判所調査官として、夫婦の離婚調停の仕事に15年間従事。その後、民間調停機関「家族のためのADRセンター」を立ち上げる。離婚カウンセラーとして、親の離婚に直面する子どもたちのケアにも力を入れている。
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