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箱の男 都会/白泉社


ごく普通の住宅街の一軒家の一室で、箱に入った男の死体が発見される。そのニュース映像を、深刻な面持ちで眺める女性・由美子。『箱の男』(都会/白泉社)は、そんなミステリアスな情景から幕が開ける。


箱の中で暮らす“父親”と暮らす少女の日常生活



冒頭から遡ること13年前。ある幼稚園で、園児たちが「家族の絵」を描いている。ひとりの少女が、先生に、にこにこ笑顔で描きあげた絵を見せる。それは大きな横長の箱だった。壁面には穴が開いていて、にゅっと手が突き出ている。思わずぞっとする先生。「冷蔵庫かな?」と問いかけると、その少女――由美子(5歳)は、屈託なく「パパだよ!」と答える。


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