高校生の彼女が妊娠…その時、真面目な彼氏はどうする？【著者インタビュー】

高校生の娘が妊娠…その時、あなただったらどうする？

そんなセンセーショナルなテーマを扱った『娘を妊娠させたのは誰ですか？』（たけみゆき/KADOKAWA）。真面目な夫と優しい娘とともに平穏で幸せな日々を送るさなえ。ある日、高校生の娘・春菜の妊娠が発覚する。相手は一年前から付き合っている彼氏・航太郎だという春菜。幾度か険悪な雰囲気になりながらも、双方の親たちの間では子どもは諦める方向にまとまる。しかしその時ふたりは――。

若年層の妊娠について調べた上で本作を描いたという著者・たけみゆきさん。調べる中で感じたことや、どのように漫画に落とし込んでいったのか制作の裏側を聞いた。

――春菜の彼氏・航太郎は、春菜の妊娠が判明するとすぐに寄り添い、向き合っていますね。

たけみゆきさん（以下、たけ）：父親が教師で、しっかりした家庭で育っている設定です。このお話を考えるときに、「高校生をちゃんと子どもとして描いてあげたい」というのがひとつありました。だから高校生の融通の利かない正義感を表現したくて。「せっかく宿った命を中絶なんてできない」ってもちろん素敵な考えですが、そのあとのことを考えていないということでもあるんですよね。

――確かに、大人だったらその後のことを考えてしまって、すぐに産む決断は下せないですよね。

たけ：そうなんです。子どもだからこそ「こうだと思ったらこう」という融通の利かなさがあるというか。

――航太郎の口からすぐに「ご両親に相談しよう」という言葉が出たことに驚きました。

たけ：「自分たちの子どもとして育てる」という決意をしたからにはきっちりと段階を踏むべき、という彼の中での「正しさ」があったんでしょうね。航太郎の心情は2巻で書いてあるので、ぜひ読んでみてほしいです。

取材・文＝原智香