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野間文芸賞(のまぶんげいしょう)は講談社初代社長、野間清治の遺志により設立された財団法人野間文化財団が主催する文学賞。1958年より始まった歴史あるこの賞は、たくさんの名作家が受賞する栄えある賞である。夜のリラックスタイムにはやっぱり読書も捨てがたい!本記事では、最新の受賞作品からさかのぼり、歴代野間文芸賞作品を一挙紹介!ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。


第78回 世界99



世界99(上)


この世はすべて、世界に媚びるための祭り。


性格のない人間・如月空子。


彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。


空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。


ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。


当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。



世界99(下)


私たち、ピョコルンに、全部捨てられるようになりましたよね。


性欲を。出産を。育児を。介護を。人生の時間を食いつぶす、あらゆる雑務を。


14年前、「リセット」を経験した人類は混乱の最中にあった。


しかしラロロリン人の考えた「人間リサイクルシステム」がうまく機能し、やがて社会は再生を迎える。そして49歳になった空子は「クリーンな人」として、美しく優しい世界を生きている。生まれ育った街「クリーン・タウン」の実家に戻り、同級生の白藤遥とその娘・波とともに。


ようやく訪れた穏やかな社会の中心には、さらなる変貌を遂げたピョコルンがいた。


村田沙耶香渾身の大長編、ここに完結。


都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに、人類が到った極地とは――。


第77回 列




男はいつの間にか、奇妙な列に並んでいた。


先が見えず、最後尾も見えない。そして誰もが、自分がなぜ並んでいるのかわからない。


男は、ある動物の研究者のはずだった。


現代に生きる人間の姿を、深く、深く見通す――。


競い合い、比べ合う社会の中で、私達はどう生きればいいのか。


この奇妙な列から、出ることはできるのだろうか。


ページをめくる手が徐々に止まらなくなる、最高傑作の呼び声も高い、著者渾身の一作。


第76回 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ



恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ


あ、また時間に捕まえられる、と思った。


捕まえられるままに、しておいた。


小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、そして作詞家のカズ。カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、半世紀ほどの後、東京で再会した。積み重なった時間、経験、恋の思い出。それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。


じわり、たゆたうように心に届く大人の愛の物語。


第75回 ヒカリ文集



ヒカリ文集


「いつか冷めない恋をしてみたいと思う?」


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