
浮気や不倫という言葉を耳にしたとき、「自分は大丈夫」とどこか他人事のように感じている人は多いものだ。けれどそうした出来事は意外と身近なところに潜んでいることがあり、ともすると当事者になってしまう可能性は決してゼロではない。
そんな日常に潜む危うさを描いた作品が、『不倫マンション 住人たちの乱れた秘密』(緒川琴衣:漫画、春野せり・テラーノベル:原作/KADOKAWA)だ。主人公・いろはは、夫・桔平の転勤で新しいマンションに引っ越してきた主婦。6歳の娘・莉緒にすぐ友だちができ、平穏な新生活が始まる――はずだった。しかし、いろはは、どこかよそよそしく、妙に探り合うような住人たちに違和感を覚える。互いの家庭事情を探るような言葉の応酬と、意味深な笑顔の裏に潜む緊張感。夫婦関係の話題になると場の空気が一変し、互いの生活に踏み込んだ質問が飛び交い、より不穏な空気が漂う。やがていろはは、このマンションの住人たちが抱えているとんでもない秘密の数々に気づいていく――。
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