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ちがって いたって いいんだよ オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ:著、垣内磯子:訳/主婦の友社


何か一言、いわなきゃ気が済まない人というのは、いる。みんなで盛り上がっているところに「そんなもの」と水を差したり、誰かが気に入っているものを「ダサい」と馬鹿にしたり。もしかしたら悪気はなくて、相手のために指摘してあげている、と思っているかもしれないけれど、そんなものはよけいなお世話で、ちょっとした否定の積み重ねで、人は自信を失っていく。だからこそ、自分とはちがう相手の選択を、みんなとはズレた自分の感情を、「それもいいね!」と笑いあえる世界を生きたいと、絵本『ちがって いたって いいんだよ』(オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ:著、垣内磯子:訳/主婦の友社)は思わせてくれる。


主人公は虹色のたてがみをもつ、ユニコーンのガストン。先生に連れられて、クラスのみんなと「ふしぎのもり」を散歩することになり、お母さんがつくってくれた特別な三日月形のお弁当を手に、わくわくしている。友達は、みんなのお弁当と違ってかっこいい、と褒めてくれるけれど、レオナルドンというクラスメートだけは「赤ちゃんっぽい!」と馬鹿にする。せっかくの気分が台無しになって、ガストンはごはんも食べたくなくなってしまう。


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