
念願のマイホームを建て、新生活を始めた瀧本一家。しかし、主人公の美咲は父親との確執を抱えたままで、昔のような仲良し家族に戻る気持ちはなかった。唯一心を許せる弟・浩介と共に家を出るきっかけを探していたところ、部屋の壁から不気味な音が聞こえてきて……。漫画家・勝見ふうたろー氏が描く、何かが少しおかしい世界の物語。
生物学者の穴水が語る「世紀の大発見」になるかもしれないものとは、ある分譲地で新築の家を建設中に発見された奇妙な植物だという。一方、美咲と同級生は家の壁から聞こえる「みし」という音の正体を確かめるため、カッターで壁に穴を開けた。
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家族というものについて納得した考え方
――家に得体のしれない生き物が棲み着いているという物語設定ですが、家族との距離感や関係もテーマになっていると感じます。そのあたりは作品に反映されていますか。
僕はいま実家に住んでいますが、家族とのつながりについて問われると、「本当に好きなのか」と疑問に思う部分もありますね。
――家族といっても決まったものはなく、それぞれが思うところや形がありますよね。
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以前ネットで「家族って結局は血がつながっているだけの他人」という言葉を見たとき、妙に納得したんですよね。それまでは、家族に対して「好き」と言わなければならないという固定観念があって、どこかしっくりこないまま過ごしていたんです。でも、「他人同士が一緒に暮らしているだけ」と捉えるようになってから、少し気持ちが軽くなった部分があります。
建設作業員が遭遇した奇妙な植物、そして美咲の部屋から聞こえた異音の正体は? 家族の絆をより深めるはずの新居を舞台に、この不可解な物語はどんな結末を迎えるのだろうか。
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