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「夜逃げ」と聞くと、どこか非日常的で、自分とは無縁の世界のように感じられるかもしれない。『夜逃げ屋日記』(宮野シンイチ/KADOKAWA)は、“夜逃げ屋”として働いた実体験をもとに描かれたそんな先入観を覆すコミックエッセイである。


作中で描かれる「夜逃げ屋」とは、DVに苦しんでいる人、毒親などから逃れたい人などの転居を支援する、いわば“逃げるための引っ越し業者”。荷物の運び出しや転居先の手配、不用品の処分に加え、盗聴器やGPSの除去といった安全対策まで、依頼者の生活環境をまるごと切り替えるための、徹底したトータルサポートが行われている。


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