『二木先生』著者・最新作! 承認欲求を満たすための“卑怯な嘘”…ネットに潜む暗い感情を描く、心ヒリつかせる青春小説【書評】

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インターネットの海をさまよっていると、どうしてこうも暗い感情が刺激されるのだろう。ほしくてたまらない承認欲求は意外と簡単に満たされるし、他人を見下して嘲笑、罵倒するのも容易い。「普段は絶対そんなことはしない」「インターネットの世界だけ」。そう思っていたとしても、気づけばその海に溺れ、その影響が日常世界にまで侵食してしまったという人は少なくはないはずだ。
『ゲーム実況者AKILA』(夏木志朋:著、Utomaru:イラストレーター/スターツ出版)は、そんなインターネットの海に溺れた者たちの物語。『二木先生』著者・夏木志朋氏の最新作であるこの作品は、スターツ出版文庫から創刊された「スターツ出版文庫アンチブルー」というレーベルの第1弾でもある。そのレーベルのコンセプトは「綺麗ごとじゃない青春」だというが、本書ほどそれを痛感させられる1冊はなかなかない。引き潮に連れ去られたような、全てを奪われたような感覚。心をどこまでもヒリつかせてくる青春小説だ。
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