「模写だけは一級品」屈辱を味わった男、贋作づくりの道へ『贋 まがいもの』【漫画家インタビュー】

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『アメトーーク!(マンガ大好き芸人2024)』(テレビ朝日)『川島・山内のマンガ沼』(読売テレビ)などで紹介され、大絶賛をうけた『贋 まがいもの』(黒川裕美/KADOKAWA)。舞台は昭和初期。売れない画家が「贋作づくり」に手を染めていく過程を描いた、疾走感あふれるアート×クライム作品だ。
ダ・ヴィンチWebでは著者の黒川裕美さんへインタビューを実施。著者はどのようにして「贋作」を描いている? 手に汗握る贋作売買の攻防戦はどう作り上げた? 緻密かつ大胆な『贋 まがいもの』の世界を語ってもらった。
自分の絵は買い手がつかない。それならいっそ…
才能はあるのに、売れない幽霊画を描き続ける画家・内海馨(うつみ・かおる)。食事もろくにせず、同居人の少女・撫子(なでしこ)、杏子(あんず)からは「得体のしれないおっさん」と距離を置かれる始末だ。
家賃を滞納し続けた内海は、ついに退去勧告を受けてしまう。金策のために骨董店に立ち寄ると、内海の幽霊画が評価されるどころか「模写だけは一級品」と皮肉を投げつけられる。
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