裸足で僕を追いかけてくる母は若年性認知症。小学5年生から介護をはじめた少年の記録【書評】

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『48歳で認知症になった母』(美齊津康弘:原作、吉田美紀子:漫画/KADOKAWA)は、若年性認知症を患った母と、小学5年生にしてヤングケアラーとなった原作者の姿を描いた実録漫画である。
本作の主人公であり原作者のやすひろさんは、3姉弟の末っ子として母の愛を一身に受け暮らしていた。だが、小学校高学年頃から徐々に母の様子がおかしくなる。検査の結果、母は若年性認知症と診断される。
他の家族はほぼ家に不在。結果、やすひろさんがヤングケアラーとして母のそばに居ざるを得ない状況となる。当時は介護・看護支援の制度や認知も今ほど普及していない時代。その中でやすひろさんがどのような状況・心情で過ごしていたかを本作では描く。
本来ならば仕事に家事に、まだまだやるべきこともやりたいこともあったはず。それらをすべて問答無用で奪う若年性認知症がどれだけ恐ろしいものか、想像すればゾッとする人も多いはずだ。重ねて、若年性認知症で苦しむのは当人だけではない。周囲の人間も、大小さまざまな苦労を抱えることになる。
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