「町の人みんなにお知らせしたい」新しい光るクツを自慢したい子ども。日々の幸せと葛藤をリアルに描いた家族コミックエッセイ【書評】
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“子どもたちのママ”としての在り方。ひとりの女性として、また社会人としての立場。その狭間で揺れながら日々、ひそかに葛藤している女性はじつに多いだろう。そんな“働くママ”の暮らしをテーマとした『いってらっしゃいのその後で』『いってらっしゃいのその後で 転がり続ける毎日編』(ツルリンゴスター/KADOKAWA)は、Xで人気の作家・ツルリンゴスターさんが描く家族の物語だ。
本書では、長男、次男、長女の3人の子どもを育てる著者自身の日常が、優しいタッチでリアリティ豊かに描かれる。子どもたちと並んで眺めた綺麗な満月。定期的にやってくる育児の孤独感。光るクツに大喜びの次男のこと。妹を勝たせてあげたいお兄ちゃんの話。
子どもたちと過ごすほっこりとした日常シーンとは打って変わって、母親としてのふるまいにふと自信をなくす瞬間もあるのが現実だ。自分自身との向き合い方、心身のバランスの整え方。一歩、また一歩と慎重に歩みを進める著者の在り方には、計り知れない努力と忍耐、そして家族への深い愛情が垣間見える。
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