ダ・ヴィンチWeb


組織の中では権力者に逆らうことは難しいものである。理不尽な上司に対し、部下という立場で面と向かって指摘できる人は少ないかもしれない。「なんでもありな上司をギャフンと言わせることができたら…!」と一度でも感じたことがある人に、本作『その領収書じゃ、バレますよ ゴミ社員の成敗も、経理の仕事です』(nev:漫画、なつ:原案/KADOKAWA)を強くおすすめしたい。


本作の主人公は県内大手の楽器店に中途採用で入社した岡野彩音。外見上は美しいピアノの音色が響き渡る、きらびやかなショールームを持つこの会社だが、その内情はセクハラ、パワハラが蔓延する典型的なブラック企業だった。新人いじめのターゲットにされた彩音は前時代的な店長からの理不尽な扱いや、店長と男と女の関係でもある先輩女子からの執拗な嫌がらせを日々受け続けることになる。そんな中で手を差し伸べてくれたのは、髪の毛ボサボサ、猫背でぼそぼそと話す怪しい風貌の経理部・柳瀬律と、大学時代のサークルの後輩で、この会社も紹介してくれた吉澤拓斗だった。


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