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 古典確率では説明できない双子の相関やそれに関わる現象 東堂杏子/メディアワークス文庫/KADOKAWA


「本当にこれでいいのだろうか」と、何度思わされただろう。メランコリックな空気を漂わせながらも、どこか前向きで、だからこそ、どんな顔をしていいのか分からない。退廃的でどこか投げやりな毎日。痛々しい失恋と、ずるずるとスタートした新しい恋。別々に暮らしているのに、どうしてこの双子の日々は、こうも似てしまうのだろう。


第31回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞&川原礫賞をW受賞した『古典確率では説明できない双子の相関やそれに関わる現象』(東堂杏子/メディアワークス文庫/KADOKAWA)は、そうやって読む者を困惑させる怪作。どこに連れていかれるかも分からない物語展開に一気読み必至の1冊だ。


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